うだるような暑さの真夏の夜、時計の針は既に22時をまわっている。だが、涼しくなっていく気配は全くといっていいほどになかった。それどころか省エネエルギーの名のもとに冷房の使用までが厳しく制限されていることもあり、オフィスはさながら灼熱地獄の様相を呈していた。
「もうやってられねえよ」
俺は額ににじむ汗を腕で拭いながらつぶやいた。ずっと昔にサラリーマンは気楽な稼業だとかいったやつがいるが、サラリーマンというのもこれでいて苦労が絶えないものだ。俺の仕事は景気にはさほど影響されるものではない。むしろ景気が悪いときのほうが忙しいくらいだ。その辺のところではよそと比べ恵まれていることはわかっているつもりだ。しかし、そうではいっても仕事が楽ではないという事実にはなんらかわりはない。
それを証明しているのがこの会社の離職率の高さだろう。悪辣な労働条件のもと、やめていったやつは数知れない。5年前、あんなにたくさんいたはずの同期も今年の春にはとうとう俺一人だけになってしまった。とにかく普段からやたらと残業は多いし、休みもだってほとんどとれない。24時間体制での対応が必要になる仕事だって少なくない。これで労働監督署の査察を受けたことがないというのだから全く不思議なものだ。
それにしても本当にやりがいのない仕事だ。正直いって胸を張って人に話すことのできる仕事ではない。なにせ俺たちが一生懸命に仕事すればするほど、たくさんの人間を不幸にするのだから。それだけではない。クライアントが最悪のやつなのだ。正直いってこいつとだけは仲良くしたくないのが本音だ。本当に気まぐれなやつで、必死の思いで仕上げようとしていたプロジェクトを完成直前で中止されられたこともある。情熱が完全にうせはてた今ならともかく、その時には殺してやろうかとさえ思ったものだ。まあ、そうはいっても金だけはもっているので仕方がない。金を払っている以上、クライアントの意向は絶対なのだ。こっちは酒でも飲んであきらめるしかない。
こんなことを考えていたら、完全にやる気がうせてしまった。今日はもう帰るとしよう。俺は急いで身支度を済ませると足早にオフィスを後にした。こういうときは急ぐに限る。もたもたしていると、ろくなことはないことは経験で分かっている。しかし、すでに遅かったようだ。突如、あたりの静寂を破るように携帯電話の耳障りな着信音が鳴り響いたのだ。とりあえず発信元を確認する。やはりクライアントだ。一体こんな時間になんだというのだ。
「はい。悪魔です。あっ、神様ですか。いつもお世話になっています。先日頂いたご依頼の件ですね。はい、全て予定通り順調に。これでまた神様への信仰も一段と……」
- 了 -
Posted by とのす at
16:32
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metroさんのMetLogのなかの記事「はてなへのトラックバックが上手くいかない」でも言及されているとおり、はてなダイアリーへのトラックバックを行う際には、トラックバック送信元ページの中にトラックバック先ページへのリンクをはる必要があります。これについては賛否両論あるようですが、これと同様のことをMTで実現するプラグインがこちら。
「Movable Type で言及リンクのない TrackBack ping を弾くプラグイン」
とりあえず試しに導入してみました。インストールは簡単。ダウンロードしたファイルをMT導入先のホルダの下の階層にpluginsのホルダに入れるだけ。実験もとりあえず成功。しばらく、このままにしてみようと思います。
Posted by とのす at
22:23
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このBlogのメインサイトである「とのすのす。」の立体視(stereogram)のコーナーにあるような立体画の作り方について何度か質問を受けています。そこで、立体画を作るうえで知っておくべき基本について、まず説明しようと思います。
ここでは、下図左側の四角の中央手前に下図右側の青い丸があるような構成で考えてみることとします。
まずは絵の中心付近に視点を置いたとして考えてみます。黒丸の位置に視点を置いて丸と四角の絵を見ると、下図左下の絵のように見えます。青い丸が大きく見えるのは、視点から丸までの距離が視点から四角までの距離に比べ大幅に短く設定しているためです。実際でも近くにあるものは大きく見えますよね。
今度は視点を絵の中心から右側に移動させて見てみましょう。四角に対して丸の位置が左に移動しているのが分かると思います。これは視点を移動させると対象物はその逆方向に移動して見えるのですが、視点からの距離が短いほど移動する度合いが大きくなるためです。
また、視点を絵の中心から左側に移せば、先ほどとは逆に四角に対して丸の位置が右に移動します。
人間の目は顔の中央から左右に2つついているので、視点を右に移した時にできる絵を右眼で、視点を左に移した時にできる絵を左眼で見ることになります。立体視の場合でもこれは同じです。右眼で見る画像と左眼で見る画像を横方向に並べてやり、それぞれの絵をそれぞれの目で見てやればいいのです。ちなみに画面の向かって右に置いた絵を右眼で、左側に置いた絵を左眼でみる方法を平行法といい、画面の向かって右に置いた絵を左眼で、左側に置いた絵を右眼でみる方法を交差法といいます。
平行法
交差法
このように手前のものほど大きくずらした絵を作ってやるだけで、立体画を作ることができるのです。いかがでしたか。
Posted by とのす at
22:27
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7/14に Movable Type 3.171-ja がリリースされたので、3.17-ja からアップグレードしてみました。とりあえず、アップグレードはすんなり成功。今のところ問題は見つかっていません。
ちなみにアップグレードの手順はこんな感じ。まずは Movable Type の公式サイトからアップグレードパッケージをダウンロード。Movable Type 3.17-ja からのアップグレードなので、ダウンロードしたファイルを解凍して、FTPで Movable Type 3.17-ja がインストールされていたディレクトリーに上書きアップロードするだけ。とても簡単です。ただし、検索テンプレートを変更をかけている場合には serch_templates ディレクトリー以下をアップロードしてはいけないなど、いくつか注意すべき点がありますのでアップグレード作業の際にはご注意を。詳細はMovable Typeのアップグレード手順をご覧ください。
Posted by とのす at
13:40
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