電気の話 その1

 この前、テレビを見ていたときのこと、「100万ボルトの電流」なんていう言葉が耳に入ってきました。ずっと以前から思っていたことなんですが、こういった間違いって結構多いんですよね。ここではご覧の方がそういった間違えをおかして恥をかくことがないよう、電気に関する基本的な言葉についてお話をしたいと思います。

 ところで、最初に書いた「100万ボルトの電流」はどこが間違っているかお分かりでしょうか。これはボルトという電圧につく単位と電流 という言葉を結び付けているところが間違っています。いわば「長さが100キログラム」といっているようなものなのです。これならおかしいことは一目瞭然ですよね。というわけで ボルトという言葉を生かすなら「100万ボルトの電圧」、電流 を生かすなら「100万アンペアの電流」というのが正解になるわけです。

 ここで電圧と電流の関係について少しだけ述べておきましょう。まず電圧 ですが、これは簡単にいうと電気を流させる力の大きさになります。そして、電流が電気の流れている量になるわけです。これだけだと分かりにくいと思いますので、電気をトコロテンで例えてみると、トコロテンを突く力の大きさが電圧、一定時間あたりにでてくるトコロテンの量が電流に相当することになります。というわけで一般に電圧を大きくすれば、それに比例して電流も大きくなります。これがオームの法則といわれるものです。いかがですか。こうして考えれば電気も難しくないでしょ。

 その他の電気に関する言葉で一般的に使うものとしては電力(単位:ワット)や 電力量(単位:ワット時)といったものがあります。多少言葉としての正確さは欠きますが、これらは電気エネルギーの大きさを示すものです。ある瞬間でのエネルギーの大きさを示すのが電力であり、その量の積み重ねの合計を示すのが電力量だと考えればよいでしょう。ちなみに1ワットの電力を消費する電化製品を1時間使用したときの 電力量が1ワット時になります。

 ここまで電気に関する基本的な言葉についてふれてきましたが、いかがだったでしょう。この程度の基本を抑えておきさえすれば、一般的には言葉の使い方で恥をかくことはないかと思います。ちなみに「100万ボルトの電流」というフレーズついては別の視点からも突っ込むべきところはあるのですが、これは次の機会にしたいと思います。

Posted by とのす at 2005年06月19日 00:00 | Comment (0)

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